PROJECT STORY

STORY 03 研究職が語る、主力製品「WBアートシリーズ」と「ビーズコートシリーズ」の開発

  • S.Yさん S.Y

    研究開発本部 課長

  • N.Hさん N.H

    研究開発本部 係長

Project Outline

スズカファインの主力商品である「WBアートシリーズ」と「ビーズコートシリーズ」を生み出した2人の研究職が語る開発ストーリー。

新築のようなサイディングボードの美しさを再現する「WBアートシリーズ」。

  • N.Hさん

    WBアートを開発した2016年当時、築10年以上経過した戸建て住宅の7割以上が、外壁に「サイディングボード」という凹凸模様のあるパネル状の建材を使っている状況でした。30年以上の耐久性があるサイディングボードも、10年ぐらいで表面の塗装が痛んできて塗り直さないといけないのですが、当時の工法ではローラーで単色に塗り替えるのが一般的でした。そうすると、せっかく新築時に高級な多彩感があるサイディングボードを使ったにも関わらず、10年後にはベタっとした単色になってイメージがガラッと変わってしまうという問題がありました。YouTubeなどではいろいろな工法が紹介されていましたが、新築時のような高級感のある意匠性を再現できる多彩仕上げで、なおかつ簡便に、職人さんのテクニックだけにとらわれず、基本を身に付けている人ならだいたい同じようなレベルの仕上がりになる工法を実現したのがWBアートです。それにより、新築のような美しさを再現したり、塗り替えて大きくイメージチェンジしたりすることが可能になりました。

  • S.Yさん

    サイディングボード自体の張り替えに比べると3分の1から半分のコストに抑えられたところも大きな魅力ですね。それに、高耐候形で長持ちするというのもお客様にはうれしいポイントだと思います。

つや消しで、高耐候、超撥水性と透湿性があり、汚れにくい「ビーズコートシリーズ」。

  • S.Yさん

    もともとは北海道から営業提案があって、冬に室内の暖房器具で灯油を燃やして水蒸気が大量に発生し、外気温との温度差で外壁材の中で結露してしまう。そして、壁内部の水分が外気の寒さで凍結し膨張、壁材が爆裂してしまう。そんなことが北海道で起きるため、中の水蒸気が壁を通じて表に出てくれる透湿性のある塗膜でなおかつ、外の雪が1mから2mも積もり春先まで壁に接しているため、撥水性が良くて汚れにくい。そんな製品をつくってほしいというのが発端でした。当時、外壁用の塗料はつやあり、内壁用の塗料はつや消しのものが一般的で、つや消し塗料は紫外線などで劣化しやすく、表面がザラザラしているから汚れもつきやすいという状況でした。そのような中、低光沢の新設サイディングボードが増え、つやありの塗料で塗り替えると違和感があるということで、つや消しで、かつ耐候性が良くて撥水性があり低汚染効果もある、そんな機能を持った塗料が必要になってきたことから、ビーズコートの開発に着手しました。一年後ぐらいに完成し北海道でモニターを実施、こうした方がいい、ああした方がいいというご意見をいただき、最終的には2011年に全国発売することができました。奇しくも、この時期は、雨水がビーズのような球状の水滴となって落ちていく撥水性の高いハスの葉の構造がさまざまなものに応用され始めた時期でした。当社も開発していく中で、同じような考えに至ったのです。

  • N.Hさん

    湿気だけ通して水を弾きたいということで、かなり苦労されたとお聞きました。ハスの葉の構造を応用し、小さい凹凸と樹脂をコーティングする技術の開発には何度もテストを重ねていましたね。

研究職にとってのスズカファインはどんな会社?

  • S.Yさん

    どういうものをつくるのかというときに、上から押し付けられるのではなく、こちらから「こういうものをつくりたい」と提案できて、開発がある程度進んだときには製造方法や販売方法についても、各部署の方がいろいろ助けてくれ製品が完成していく。研究担当は開発から製品が上市されるまでの一から十まですべてに携わることができて、それをまわりが応援してくれる…そんな会社ですね。

  • N.Hさん

    研究職にとってはすごくやりやすい。「こういうものがつくりたい」というものをつくらせてくれる会社です。先ほどのWBアートもそうですが、でき上がったあとには各部署からフィードバックがもらえて、それを改善して…、人と仕事のつながりが一方通行ではないところにも、やりがいを感じています。